総合建設業、鋼構造物工事業 - 新潟県上越市

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昨日と今日は違う

Aさんはとても実務能力の高い方だった。いわゆる仕事のできる方だった。社歴も長く、責任感の強い方だった。私はAさんに対し、全幅の信頼を寄せていた。ひとつの部署の全権を託していた。私にとって未知の分野であり、また、当時としては良い、悪い以前にそうせざるを得ない状況だった。
Aさんの部署はみんな黙々と仕事に励んでいた。静かに無言で。そして、いつも緊張感が漂っていた。
その部署に新しく人を採用する。1~2ヶ月は何とかもつ。新人も「こんなものかな」くらいで様子見だ。
しかし、ある時から堰を切ったように、部署替えをせざるを得なくなったり、退社に追い込まれたり、病気に罹ったりする人が続出した。次から次へと。5~6人いただろうか。その部署は機能不全に陥っていた。原因は、Aさんとの人間関係のもつれである。これではだめだ。私はその分野についてもみることにした。
今、Aさんはいない。最終的に退社して頂いた。何故こんなことになったのか?
Aさん自身、理由は分からなかっただろう。未だに分からないかもしれない。
私はこう考える。
それは、自分を世の中の変化に合わせることができなかったからだ。自分が若い頃から学び、経験してきたこと。Aさんの『価値観』をそのまま『今』の若者に求めたことが原因ではなかったか。
「こうすべきだ」、「こうしなければならない」。よくある話だ。
何につけてもそうだが、ある目的達成のために必要なことは、『人』に気持ちよく仕事をしてもらうことだ。それは、生産性の向上、目的達成のための絶対必要条件である。
自分の思いを伝えつつ、相手の考え、気持ちを理解しようとすることが大事だ。それはとても難しいことだ。しかし、それをせずに『人』に上手く動いてもらおうとしても上手くはいかない。世代間格差があればなおさらだ。
Aさんの例は象徴的である。

投稿日|2018.05.16 社長ブログ