総合建設業、鋼構造物工事業 - 新潟県上越市

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未来の自分を思い描いてみるⅡ

 2011年決算期に於いて当社は、創業以来の大赤字を出し、経営危機に陥りました。債務超過の状況であり、全く予断を許さない状況が5年ほど続きました。
 某金融機関に言われました。「社長、10年再建計画を作りますよ。ゆっくりやりましょう」。こんな金融機関もいました。「当行は、口は出しますが、金は出しません」。
 昨日まで普通に買えていたものが買えなくなりました。突如、毎日来ていた業者さん達がものを売ってくれないのです。
 「金の切れ目は縁の切れ目と言うけれど、世の中ってやっぱりこんなものなんだな。ドラマの世界だけかと思っていたわ」と思いました。「つくづく貧乏ってみじめなものだな」と思いました。
 「この先どうなるのだろう?」想像できませんでした。でもこれだけは思いました。「来年も赤字なら生きていられないな」と。
この時思ったこと。「10年計画と言っても、1日24時間ある。寝ないでやれば3年ちょっとで元に戻る。」現実的に寝ないでいられるわけはありませんが、そういう覚悟を以て生きてきました。
 当時、みなさんからは、よくサトウ産業が生きるヒントをもらいました。みなさんは意識していないでしょうが、みなさんからはずいぶんと教わったので す。
 債務超過になって1年半後。2012年8月3日。『未来の自分を思い描いてみる』。これもその一つでした。先ずは私の未来を披露しました。そして、みなさんからも書いてもらいました。今では、趣旨が変わりましたが、新入社員のみなさん全員に書いてもらっています。
 あれから10年が経ちました。私の未来はどうなったでしょう?当時書いたものです。
【10年後の自分-58才 高収益を出せる会社。従業員数は70名超。地域社会に於いて確固たる地位を築いている。経営を引き継いでくれる人がいるか?引き継ぎを進める。又は、引き取ってくれる企業を探す。】
 今の私は、10年前の私にこう報告するでしょう。「高収益を出しているか、地域社会に確固たる地位を築いているかは、周りが判断することだ。自分ではない。従業員70名を超えるのは、3年前倒しで達成したね。経営の引継ぎについては、ほぼ当たったね。ただ事業承継は極めて難しいということも分かったよ。いろいろな選択肢がある。でも一番良いのは、社内から引き継げる人間が出てくることだ。これからの未来は修正する。15年後は、残りの人生を謳歌するスタートラインに立つと書いたけれど、ムリだわ。時間が足りないわ。時間をかければ上手くいくとも限らないけれど、やらなくては進まない。最後の仕事が事業承継だ。本当にこれがラストチャンス。だから毎日毎日、敢えて厳しいことを朝から言っているよ。ついてこれるかな?それも心配だ。確か、男の平均寿命は、81才手前だよね。あと23年。ここをゴールと定め、自分の夢の実現と同時進行でやっていくさ。なあ、10年前の私。私の人生って良い人生なのかな、悪い人生なのかな。これで良かったのかな。時々考えるようになったよ。でも、人生は1回こっきり。これからの時間が、本当の意味で、私が生きた証を残すために捧げる時間なのかもしれないなと思うよ。5年後、また報告するね。それでは。」

【15年後の自分-63才 引き際を決める。数年以内。全ての業務を社員がこなしている。必要に応じて相談に乗る。基本的には無借金経営。精神的には開放されている。残りの人生を謳歌するスタートラインに立つ。】

投稿日|2022.12.16 社長ブログ