総合建設業、鋼構造物工事業 - 新潟県上越市

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感謝の気持ちの伝え方

ある年の冬、現場で打ち合わせをしていると、携帯電話が鳴った。

Aさんの奥様からだ。久し振りだった。ご夫婦はご主人の仕事の関係で全国を転々とし、最後に上越で定年を迎えた。当地を第二の人生のスタートの地とされ、私とは初対面でありながら、意気投合して住宅を造らせて頂いた。和風であり、かつモダンで瀟洒な作品に仕上げさせて頂いた。当社でも会心作の一つである。

「ご無沙汰しています。お元気ですか?」と言うと、奥様は「佐藤さんとはずっと友達だよね」と応えた。変なことを言うなと思いながら、「暖かくなったらワインを持って伺いますよ。ピザ焼いておいて下さいね。」それが彼女との最後の会話だった。

1週間を待たずに亡くなった。

その日の朝刊で事実を知った私は一番にお宅へと走った。ついこの間話をしたばかりなのに、余りに突然の出来事に、死を認めることができなかった。奥様は静かに寝ていた。安らかな顔をしていた。あの日の電話は最後の別れを告げるためだったのだ。覚悟の電話だったのだ。いつものようにあんなに明るく、そんな素振りを微塵も感じさせずに。

私は、自分を責めた。後悔した。「私にまで電話をしてくれるなんて。もっと顔を出せばよかった。もっと話をすればよかった…。」

全ては後の祭りである。出会いは突然にやってくる。別れもまた突然にやってくる。

後悔しないお付き合いはどうすればいいのか?

私は思う。人生経験の短い私だが、それでも多くの人達と出会い、助けられ、支えられて生きてきた。これからもそうだ。

年を重ねると新たな出会いより、別れの数の方が多くなる。別れの数だけ、悲しみは増えるけれど、感謝の気持ちも、感謝する人達も増えていく。

生きているうちに、どれだけの恩返しができるのか?どんなことが恩返しになるのか?正直分からない。でも、できる限り都合のつく時は連絡を取ることがまず一番かなと思う。『便りがないのは元気でいる証』と昔の人は言ったが、私は『便りをして元気かどうかを確認したい』

後悔しないために。

私の机の上には、上棟式の時にみんなで撮った写真がはさんである。笑みを絶やさぬその顔で、今日も私を見守っていてくれている。

投稿日|2013.02.07 社長ブログ