高校生から教えられたこと
1月13日上越総合技術高等学校へ行ってきました。何故かというと、建築環境科(建築システムコース、建築インテリアコース)の生徒たちによる勉強の成果を発表する会に招待されたのです。毎回ではないのですが、新卒者の採用を決めさせてもらった年は呼ばれているようです。
始まる前に、3月に入社する3人娘が私のところに「こんにちは」と言って挨拶に来ました。ニコニコ笑ってばかりいて、特に会話もなかったけれど、「楽しみにしているよ」と言ったら「はい」と言って戻っていきました。初々しくていいですね。この日は、外は大雪でとても寒かったのですが、心が少し温かくさせてもらった気がしました。
設計コンペに参加した生徒、CAD検定に挑戦した生徒、シェルターを製作した生徒、陶芸、街の景観づくり、木造建築等々色々なテーマに沿って一人であったり、複数であったりですが、みんな夏休みを返上して取り組んでいたとのこと。課題達成までの過程を通して人間としても逞しく成長したであろうことは伺えました。
因みに当社の3人娘の内2人は木工で寄木細工の作品を作りました。可愛らしい、私の机の上に飾っておきたいような作品です。もう一人は左官技能検定3級に挑戦して見事合格。晴れて『左官技能士』になれました。
私はそれぞれの生徒たちの発表を聞いていて、『やれる』という期待感を持ちました。何かに取り組む時、最初にやることは、先ずは『計画』を立てることです。仲間と色々と議論しながら進めました。次に『やって』みました。コミュニケーションの悪さから何人も同じ作業をして効率が悪かった、もっと段取りを上手くできたのにと反省しました。反省を踏まえ『改善』します。そして、またやってみます。正にPDCA(plan do check action)cycle をしっかりと回していました。
17才、18才の生徒たちがちゃんとやれているのです。自信がないとか、ムリだと思ってもやってみて成功体験を得たのです。とても自信がついたことでしょう。人間は実は無意識で常にこういうことをして生活しているのです。
もうひとつ。校長先生が最初の挨拶でこう述べられました。「生徒たちにはこう言っています。グライダー人間と飛行機人間。何だと思います?グライダーは飛行機に空まで引っ張られて、気流に乗ってから自力で飛ぶことが出来ます。飛行機はエンジンがついています。正に、自力で地上から空へ舞い上がることが出来るのです。工業高校は自分の力で生きることを学ぶ学校です」というようなことを仰いました。「良いことを言うな。その話もらった」と思い今こうして社内報に書いています。
生徒たちの授業風景は、上越総合技術高等学校と高田商業高等学校を見たくらいですが、『実学』を学ぶ良い学校だなという印象を持っています。
私は、こうした専門高校出身の社員に限らず、君たちの無限の可能性、潜在能力を、もっともっと早く引き出してあげれば、もっともっと早くサトウ産業はもっともっと成長できる。そう思い『やれる』という期待感を君たちに抱いたのです。
何をしていても、たとえ失敗しても、自分にとって『ムダ』なことはそう滅多にありません。概ね貴重な経験です。
最後に左官技能検定3級を取った子の発表を抜粋して終わります。「左官技能とは全然違う会社に就職しますが、検定に挑戦した経験が生きてくることがあると思います…。」
私もそう思います。
投稿日|2022.01.18 社長ブログ