総合建設業、鋼構造物工事業 - 新潟県上越市

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60歳になっちゃいました

 還暦を迎えて1週間が経った。「60歳」、「還暦」。59歳を過ぎた頃から意識し始めた。この響き、あまり好ましいものと、とらえることができなかった。なんとも悲しい、寂しい、孤独感を感じさせる言葉なのかという思いでいっぱいだった。この感情は、頭も回らない、身体も言うことを聞かない、現実を受け入れざるを得ない、認めざるを得ないところから来るのだろう。
 一般的に、定年退職の年である。私は、60歳定年はそういった意味で、合理的なシステムだと思っている。一回深呼吸をして、次の道を選ぶいい時間だと思っている。60歳は、一つのゴールであり、第二人生のスタートラインに立つ機会を得るということだと理解する。
 当然、同級生たちとの話題も、60歳以降の第二の人生の話になる。しかし、どちらかというと、マイナス思考で語られることが、多いように思われる。
 私もそうであった。男の平均寿命、81歳。70歳までは、まだ頭が回るという前提の下、これからの人生設計を立てる。でも、後21年しかないのである。たった10年しかないのである。これからどれだけのことができるのか?今までの人生を振り返っての後悔、疑問、これからやり残したことを、完璧にやり遂げることへの不安、焦り。色々なことが錯綜していた。
 先日30歳の社員と話をした。君の10年と私の10年。同じ10年だが、違うのだ。先ほど述べた、70歳を企業人としての最終ゴールとした場合、「まだまだ新しいことに挑戦していきたい。私は本当に10年しかない。しかし、君は、40年ある。私は、これからの時間を君の4倍のスピードで駆け抜けなければならないのだ」と。「君が 4年かけることを、私は1年でやらなければならない。君が1年かけることを、3か月でやらなければならないのだ」と。30歳の時には、考えもしなかったことだ。
 この1週間、少し気持ちが穏やかになっているような気がする。社員のみなさん、一生懸命かんばってくれている。そんな彼らを見ていると、「大丈夫かな?何とかなるかな?」という気持ちにさせられる。
 先日同業の社長から言われた。「最近、優しくなったよね。いい社長になったよ。若い時は、すっごく尖っていたよ」と。「そりゃ、私も、60歳になるからね、少しは大人になったよ」と返した。本当に、60歳になって、やっと少し大人になれたかな?と感じている。しかし、まだ自信はない。
 昨日と今日は違う。明日のことは分からない。だから人生を面白いのだと思う。これからもたくさんのドラマを見る事だろう。しかし、そこで活躍している主人公は、メインキャストは君たちだ。だんだんとそうなっていくのだ。私は、端役で楽しませて頂く。

投稿日|2024.11.15 社長ブログ