総合建設業、鋼構造物工事業 - 新潟県上越市

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二度目の甲辰

 インフルエンザに罹った。
 会社を休んだ。こんなに会社へ行かなかったのは、何年振りだろう。
 少なくとも、ここ15年くらいは、1年365日、日曜、祝祭日、盆暮れ、正月関係なく、毎日会社へ行っていた。行くことが普通であり、行かないことが、普通ではない生活を送ってきた。今までだったら、病院へ行かずに、我慢して出社していた。そのうち治った。今回は、我慢ができなくて、夜間診療へ行ってしまった。そうしたら、「インフルエンザA型ですね」と言われてしまったから仕方がない。観念した。
 休んでみて思ったこと。
 3日間、39度近くの熱にうなされた。
考えることをしたくなくなった。そして、常に付き纏う「呪縛」。それは、「重大な不測の事態が起こったらどうしよう」。今回は、「なったときは、その時だ」と良いのか、悪いのか、開き直った。
 毎日寝ていた。
 薄ら寒い部屋で、布団に入って天井を眺めている。朝は、小学校へ登校する子供たちの声が響く。昼間は、時折通る車の音。夕方は、今度は下校する子供たちの声。夜は、酒でも入っているのか、大きな声で話す通行人の声が聞こえる事かある。後は、シーンと静まり返った時間だ。
 「平穏」とはこういうものなのだろうか?1日は長いようで、早い。この感覚、昔々、堕落した生活を送っていた20代前半の頃を思い出させた。
 周りのみなさんには、多大な迷惑を掛けてしまった。私にとって、「時には休むのも良いな」ということを感じられたことが、一番の成果であったかもしれない。
 今日で、5日か6日目だと思う。正確には分からない。今日も、身体は重く、頭もボーっとしている。しかし、こうして、社内報を書いている。約1週間遅れてしまったことは、心よりお詫びする。
 昨年は師走に入っての重大事故の発生。年明け早々、元旦からの地震被害。生まれ変わったサトウ産業が、前へ進もうとしている矢先に、出鼻を挫かれたような出来事だった。加えて私の罹患。それでも、社内は、平時を取り戻し、計画されて工程に沿って物事が進められるようになってきている。色々な経験が私たちを成長させてくれたのだと信じたい。
 いつもみんなには、「がんばるな、仕事はするな、早く帰れ」と言ってきた。今度はその言葉を自分自身に対して発しようかな。書きながら、今頭に思い浮かんだ言葉がこれだ。今年の私の生きるキーワード。『明鏡止水』。

(解説)
「めいきょうしすい」と読みます。「邪念がなく、澄み切った心の状態のこと」をさす言葉です。
「明鏡止水」とは、「明鏡」と「止水」という2つの熟語で成り立つ四字熟語。「明鏡」とは、「曇りのない鏡」のことで、「止水」とは、波紋などもない「静かな水」のこと。つまり、わだかまりや偏見などがなく、とても落ち着いている状態をあらわします。
「明鏡止水」の言葉の由来は、中国の思想書「荘子」にあるとされています。
「明鏡」に関しては、「鏡はしっかりと磨かれていれば汚れはつかない。しかし磨かれていないと汚れがつき、鏡が曇り、物事が明確に見えなくなる」という文章が語源。「止水」は、「流れる水ではなく、止まっている水を鏡に使う」という文章が語源です。
「明鏡止水」を英語で表現したい場合、「calm and clear」
「calm」とは「穏やかな」「静かな」という意味。「clear」は「澄み切った」「晴れた」などの意味を持つ単語です。この2つを合わせれば、「澄み切っていて穏やかな心の状態=明鏡止水」を表現することができます

投稿日|2024.01.19 社長ブログ