総合建設業、鋼構造物工事業 - 新潟県上越市

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思い出のチェリー酒

 昨日(2019,08,12)、サクランボ酒(以降、チェリー酒とする)を久し振りに口にした。実に32年振り。バックパッカー一人旅で、乗り継ぎの為に寄った北欧デンマークの首都コペンハーゲン空港。そこで買って飲んだあの味がずっと忘れられなかった。(以来、あんなに美味しい酒とは出会ったことがないくらいだ)
 先日、山形県へ行く機会があったので購入してきた。(山形県といえば、サクランボ!)この日、付き合ってくれる仲間がいたので栓を抜いた。グラスに注ぐ。深い濃厚な赤。きれいだ。ワクワクする。右手に杯を持ち、まずは香りを確認。仄かな甘み。こんな匂いだったかな。次に、唇を湿らせながら口中へと注ぎ込む。舌の上であの時の味との再会を果たせることを期待した。こんな味だったかな。適度に甘いけれど。言われなければこれがチェリー酒か分からない。あの時の香りと味は、もっと甘く官能的で、ジャムかシロップの如く、真に『ザ・チェリー酒』。溶けるような甘い味だったような気がする。
 しかし、それは遠い過去の思い出の中で、膨らまし過ぎた幻想だったのかもしれない。年を経て、あの頃の感性は忘れ去られているのかもしれない。それでも今回チェリー酒を飲む機会を得たことにより、長年心に引っ掛かっていたことが解決できたのでよかった。
 では何故、32年前に北欧のデンマークでチェリー酒を買おうと思ったのか?
 それは、『ムーミン』が影響している。(これはみんなもよく知っているでしょう!)北欧フィンランドの女性作家トーベヤンソンによる、『まもの』の物語だ。(今も大切に全巻文庫本で持っています)
 最初に『ムーミン』と出会ったのは、何時だったろう?久しぶりに手に取ってみた。初めて買った単行本の『楽しいムーミン一家』の裏表紙を見る。(この頃、子供向けの本であってもハードカバーである 高かった)昭和47年初版と記載されている。(私は小学校2年生)この物語の中でよく登場する単語が『チェリー』だった。(『酒』だったか、『パイ』だったかは定かではないが 多分ムーミンママの作るパイだろう)『チェリーって何だ?』これが8歳の少年の頭の中にずっとこびりついて離れなかったのだ。
 10余年経った23歳の青年はようやく出会うことができた。それもムーミンが生まれ育った北欧の地で。最愛の女性と出会う如く。買った。飲んだ。美味しかった。またいつか出会いたい。そして、あれから30年が過ぎ再会を果たした。でも、彼女は昔の彼女ではなかった。というストーリーである。
 私もそれなりに長く生きたなと思う。若い時の経験が、その後の人生に長く影響を与えることがある。その時だからこそ持っている感性がある。年と共に忘れ去られるものがある。

 若いみなさん。色々なことを経験してください。失敗も挫折も、無駄なことは何一つありません。
 お金では決して買うことのできない『宝物』です。
 今日はお盆休みの折り返し地点です。遊んでいますか!?遊んでください。

投稿日|2019.08.19 社長ブログ